統合失調症

統合失調症とは

統合失調症は、考えや気持ち、行動のまとまりが乱れ、現実とのつながりが弱くなってしまう病気です。
「誰かに監視されている気がする」「声が聞こえる」「頭の中を操作されている気がする」などの症状が出ることがあります。また、気力が出ない、人付き合いがおっくうになる、感情が平らになるといった症状が目立つこともあります。
若い世代(10代後半〜30代頃)で発症することが多く、日本ではおよそ100人に1人程度がかかるとされる、決して珍しくない病気です。

統合失調症の原因

原因は1つではなく、いくつかの要因が重なって起こると考えられています。

  • もともとの体質や遺伝の影響
  • ストレスのかかり方
  • 生活環境
  • 人間関係

などが組み合わさり、脳の情報処理のバランスが崩れることで発症すると考えられています。
近年の研究からは、

  • 脳内の神経伝達物質(ドーパミンなど)の働き方
  • 脳の一部のつながり方

に変化があることが分かってきています。
ただ「育て方が悪い」など家族のせいで起こる病気ではありません。

統合失調症の症状

統合失調症では、次のような症状がみられます。

  • 「誰かに監視されている」「悪口を言われている」と強く感じる(被害的な考え)
  • 実際にはいない人の声が聞こえる(幻聴)
  • 考えがまとまりづらく、会話がとぎれとぎれになる、話が脱線しやすい
  • 人が自分の考えを読み取っている/頭に考えを入れてくるように感じる
  • 気力が出ず、身だしなみや家事・仕事・勉強がおっくうになる
  • 人と会うのがおっくうになり、一人で過ごす時間が増える
  • 表情や感情の動きが乏しくなる

症状の出方は人によってさまざまで、「幻聴や妄想が目立つ時期」と「気力の低下やひきこもりが目立つ時期」を行き来することもあります。

統合失調症の治療方法

薬物療法(抗精神病薬)

統合失調症の治療の中心となるのは抗精神病薬(お薬)です。脳内の神経伝達物質のバランスを整え、幻聴や妄想などの症状を和らげていきます。
症状や副作用の出方に合わせて薬の種類・量を調整します。飲み忘れが多い方には、数週間〜1か月に1回の注射で効果が続くタイプの薬(持続性注射剤)を使うこともあります。

精神療法・心理社会的支援

病気について理解を深める「心理教育」、ストレスへの対処法や対人スキルを身につける支援、認知行動療法などを行うことがあります。
生活リズムを整え、症状との付き合い方を一緒に整理することで、再発予防や生活の安定につなげていきます。

生活支援・リハビリテーション

デイケア、就労支援、訪問看護などの社会資源を利用し、生活リズムづくりや就労・就学のサポートを行うことがあります。
ご本人だけでなく、ご家族が病気の理解を深め、接し方を相談できる場も大切です。

入院が必要になる場合

症状が非常に強く、危険が予想される場合や、生活が成り立たないほど混乱している場合には、一時的な入院が必要になることがあります。安全を確保し、集中的に治療を行うための選択肢です。

再発予防と長期的な付き合い方

統合失調症は、長い期間にわたって症状の波が出やすい病気ですが、適切な治療と支援により、仕事や学校、家庭生活を続けている方も多くいます。
再発予防のためには、

  • 薬を自己判断で中断しないこと
  • 生活リズムを整えること
  • ストレスが増えたときに早めに相談すること

が重要です。症状の変化や副作用があれば、その都度相談しながら治療を調整していきます。

最後に

統合失調症は、「性格の問題」や「意志の弱さ」ではなく、脳の働き方に関わる病気です。
発症から時間がたつほど治療に時間がかかることもあるため、「少しおかしいかも」「周りと感じ方が違いすぎてつらい」と思った時点で、早めに相談していただくことが大切です。
当院では、ご本人のペースを尊重しながら、ご家族とも協力して、長期的に安心して暮らしていくための支援を行っていきます。

よくある質問

この病気は治りますか?一生続きますか?

適切な治療によって症状が軽くなり、落ち着いた生活を送っている方も多くいます。ただし、風邪のように「完全に治って二度と出ない」病気ではなく、長いスパンでつき合いながら再発を予防していくイメージが近いです。
早期に治療を始め、薬や生活の調整を続けるほど、その後の経過は安定しやすいことが分かっています。

仕事や学校に戻ることはできますか?

症状の程度や経過にもよりますが、治療を続けながら仕事や学校に通っている方も多くいます。
いきなり以前と同じペースに戻るのではなく、短時間勤務から始める、週○日から通学を再開するなど、段階的に負荷を調整していくことが大切です。必要に応じて、職場や学校と連携しながら進めていきます。